人生後半戦

名古屋で暮らしています。いろいろ忘れっぽくなったので(笑)自分用の覚え書きとして記録しておきたい事を書いていきます。

【再読】村上春樹「色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年」

先日鎌倉が舞台のドラマを見て(スロウトレインです)、私は鎌倉に憧れがあるので物語がより美しく見えるけどそこに実際に住んでいる人はどうなんだろう?

私は名古屋が舞台になっているとちょっと冷めるんだよな〜
と思った事から久々に再読した村上春樹の「色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年」。
ちなみに私が「名古屋が舞台で冷めた」本はこれではなかったと読み直して気づきました。笑


この小説は出てすぐ買った覚えがあるので多分前に読んだのは2013年ごろ。
当時も好きでしたが10年ぶりに読んだら今の方がさらに面白く今の自分の気持ちに刺さるような感じがしました。

ストーリー)
多崎つくるには高校時代4人のかけがえのない友人がいた。
その4人はそれぞれ赤、青、黒、白の色が名前に入っていた。
つくるは駅を作る仕事を学べる大学に通うため東京に進学したが他の4人は地元の名古屋に残った。
大学2年の時に急に4人から理由もなく仲違いをされた。
それはつくるにとって死に肉薄するような痛みを伴う事だった。
その痛みから立ち直るとつくるは見た目がすっかり変わってしまい、別人のようになった。
大学では灰田というまた色の付く友人ができたが彼も途中で退学してしまった。
36歳になったつくるは沙羅という女性と親しくなりつつあった。
つくるは彼女との4回目のデートで話の流れから高校時代の友人の話をした。
彼女はつくるの背中にはまだその4人がぴったりくっついていて、一度過去と向き合わなくてはいけないと言う。
彼女は4人の所在を調べてつくるにシロが亡くなっている事を伝えた。
つくるは名古屋に帰りトヨタのセールスマンになったアオと会い、人材育成ビジネスを立ち上げたアカと会い、その後クロがいるフィンランドに行くことになる。

 



村上春樹の小説は訳のわからないものが多いのですが、これは割と内容がわかりやすい方かな?
とはいえどこまでが実際に起きたことなのか、それこそメタファーなのかわからない表現も多いのですが、シロがそうせざるを得なかったの(ずっと完璧な関係なんてないので、それを壊したくなるような気持ち)もなんとなくわかるような気もします。

 

この小説の中の好きなセリフは

「失礼なことを言うようですが、限定して興味を持てる対象がこの人生で1つでも見つかれば、それはもう立派な達成じゃないですか」
と言う灰田のセリフ。本当にそう思う〜

あと先日perfect daysの感想にも書いた通り私は「規則正しい生活をして本をよく読む男性」が出てくる設定が好き💛

つくるは村上春樹の小説に割と出てくるそう言うタイプなので(本は読まないけど)それも好きなポイントでした。他の登場人物もみんなそれぞれ魅力的だし。

最近色々と言われている村上春樹さんの小説ですが、私は「ノルウェイの森」以外は大体好きです。(ほとんど読んでいるはず)

そういえば現時点での最新作「街とその不確かな壁」はまだ読んでいなかった事を思い出したので近いうちに読んでみよ〜っと。